機内の思い出〜伊丹〜
羽田-伊丹線は幹線としてかなり重要視されている路線である。
ビジネスマンが圧倒的な多い。
飛行時間は実質4.50分ほどだが、伊丹空港や羽田空港の混雑の影響で、ラッシュアワーには遅れることも少なくない。
正直、新幹線を使ったらどうか?とよく思っていた。ケータイも使えるし、空港での待ち時間や保安検査の必要もない。
だが、あるビジネスマンの話によると、東京大阪間の3時間を座って過ごすのはしんどいのだと言う。
そんな伊丹線。まさに伊丹"戦"。
フライト時間は短いのに、お客様は多い。
グリーン車的クラス(敢えて名称は伏せておく)は常に満席。
そして機内販売の物品もよく売れる。
弊社飛行機によく乗ってくださるお客様もたくさん。
要するに、忙しい。
忙しい。。
ずっと頭の中では、天国と地獄が流れている。
ひとりにドリンクサービスする時間、約5秒。
小さな声でドリンクを聞いていく。
寝ているお客様を起こさないためだ。
お疲れのビジネスマンに配慮してのことだ。
…というのもあるが、実のところ、
なるべく早くドリンクサービスを一通り終わらせて、カートを収納してしまいたいのだ。
カートというのは、旅客機の中では欠かせないもので、車輪のついた棚のようなものだ。
その中にりんごジュースのパックやら水のボトルやら、氷、ストローやフタ、
機内販売用のカートには、機内販売の物品、
国際線では食事が入っている。
この棚を客席まで転がして運び、サービスをするのだ。
この棚は重く、しかも車輪がついているため、乱気流時には凶器になり得る。
とにかく、このカートをギャレーに収納しないまま、着陸態勢に入るわけにはいかないのだ。
伊丹線はとにかく時間が短い。
あと何列…と思っていたら、着陸態勢に入るチャイムが鳴る…ということが何度もあった。
まだドリンクを渡せていないお客様には申し訳なく思ったものだ。だが、それは決して私たちCAの手際のせいではない。
フライトはそのフライト毎に毎回異なる。
離陸してから気流が悪く、シートベルトサインが長い間消灯しないこともある。
そうすると必然的にドリンクサービスの時間は短くなってしまう。
多くのお客様が、ドリンクが貰えないことがあっても、「ありがとう」と飛行機を降りてくださる。
中には怒る人もいるが…
そのことについて、仕方ないじゃないか、と思いたくなると同時に、自分ならばやはり良い気持ちはしないな、とも思うのだ。
伊丹線に乗務していて特に思い出深かったこと。
それは、機内にディスプレイしておく飴の減りがとにかく早いこと!
関西のおばちゃんはよくアメちゃんをくれる…
そんなイメージがあったが、
まさにイメージ通り。
お客様の搭乗中に飴のカゴを観察していると、
まず、優先搭乗の子どもたちがアメを取っていく。
次によく飛行機にのるお客様がアメを鷲掴みに取っていく。
この段階で既に飴の残りは半分以下。
飴の補充をしてみる。
そして一般のお客様がひとり5つくらい取っていく。
また再び飴の補充をしたい…が、
あぁ、荷物入れがいっぱいになってしまった…
入れられるところを探さないと…
と忙しくしている間に、飛行機の出発時刻になる。
この話はまた後日。
とにかくこのように、伊丹線では飴がどんどん無くなる。
関東出身の私にはものすごく面白い光景だった。
日本狭しといえど、意外とたくさんの文化が息づいている。
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